劇場版ポケモン全作品をAmazon Prime Videoで視聴した感想
- はじめに
- 各作品毎のランクと簡易感想
- ミュウツーの逆襲(1998)
- 幻のポケモン ルギア爆誕(1999)
- 結晶塔の帝王 ENTEI(2000)
- セレビィ 時を超えた遭遇(2001)
- 水の都の護神 ラティアスとラティオス(2002)
- 七夜の願い星 ジラーチ(2003)
- 裂空の訪問者 デオキシス(2004)
- ミュウと波導の勇者 ルカリオ(2005)
- ポケモンレンジャーと蒼海の王子 マナフィ(2006)
- ディアルガvsパルキアvsダークライ(2007)
- ギラティナと氷空の花束 シェイミ(2008)
- アルセウス 超克の時空へ(2009)
- 幻影の覇者 ゾロアーク(2010)
- ビクティニと黒き英雄 ゼクロム(2011)
- キュレムVS 聖剣士 ケルディオ(2012)
- 神速のゲノセクト ミュウツー覚醒(2013)
- 破壊の繭とディアンシー(2014)
- 光輪の超魔神 フーパ(2015)
- ボルケニオンと機巧のマギアナ(2016)
- キミにきめた!(2017)
- みんなの物語(2018)
- ミュウツーの逆襲 EVOLUTION(2019)
- 番外編
- 総括
はじめに
ポケモンというコンテンツに関しては、小学生の頃に触れてハマったものの高学年くらいで離れていき、それから時が経って大学生になってから再び触れていくこととなったといったような経緯です(高校1年の頃一瞬戻りかけたけど)*1。なので子供時代と大人になった現在の両方に関わっているという点で考えるとこれまで自分が触れてきたものの中でも思い入れは深い方であります。そんな折、Amazon Prime Videoでアニメポケモン映画が全作品配信されるという情報を手に入れました*2。これまで漫画でもアニメでもゲームでもその他でもシリーズもののコンプリートという物をあまりしたことがなかったので、折角の機会だしと思って今回の企画を行うに至りました。また、完全所見の映画もある一方で幼少期及び近年に一度観たことあるものも多くありましたが*3、記憶が薄れている物も多くてまた幼少期に観た物はここで改めて観てノスタルジーに浸りたいと思ったため観たことあるものも含めて全ての作品をPrimeで観ることとしました。
各映画ごとに簡易的にですが感想を纏めています、ネタバレも含む物もあるのでその点もご了承ください。
因みにそれぞれの作品にランクをつけていますが基準としては
S→素晴らしい!
A+→とても面白い
A→面白い
A-→ギリ及第点
B→微妙
C→・・・何も言うまい
といった感じです。
各作品毎のランクと簡易感想
ミュウツーの逆襲(1998)
ランク:S
Amazon Prime Video(Amazon.co.jp)より画像引用
幻のポケモン ルギア爆誕(1999)
ランク:A
Amazon Prime Video(Amazon.co.jp)より画像引用
ミュウ逆とは一転して、TVアニメの劇場版という印象がより強い。「それぞれの世界」という映画ならではのテーマはあるが比較的終盤で鮮明になるもので、どちらかと言うとルギアを初めとした伝説のポケモンの闘いが醍醐味。
ロケット団の思わぬ大?活躍や、カスミのサトシに対するスタンスについてといったものの描きが面白かった。個人的に微妙な点は、敵役のコレクターが特別に見せ場もサトシ達と大きな衝突もなくただの小悪党としてしか映らなかった事だろうか。
結晶塔の帝王 ENTEI(2000)
ランク:A+
Amazon Prime Video(Amazon.co.jp)より画像引用
ひとりぼっちの少女の願いという単純だが重たいテーマ。明確な悪役がおらず、それもあってか全体的に重く暗めで進む為、子供受けは微妙かもしれない。自分も大人になった今観て評価が上がった。
サブ要素としては、サトシが手持ちポケモンの能力を有効活用していた点やタケシ・カスミのポケモンバトルを観れた点。この辺のバトルは技の活用なども割と本格的だった。そしてサトシのエースはやはりリザードンだと再認識。
セレビィ 時を超えた遭遇(2001)
ランク:A+
Amazon Prime Video(Amazon.co.jp)より画像引用
Sにしようか迷った。エンタメ映画と思わせて終盤で環境破壊とその代償という重いテーマを被せてくる。前半の退屈っぽい幕間シーンが終盤への積み重ねになってるのもGOOD。個人的にはルギアやエンテイよりも好きな映画。
ダークボールという特殊なボールから出る邪悪なポケモンが登場するが、その後のポケモンコロシアム・XDのダークポケモンはこれを採用したものと思われる(ゲームにはセレビィも重要キャラとして登場)。準主人公のユキナリの正体等も予め知った上で観るとまた面白い。
水の都の護神 ラティアスとラティオス(2002)
ランク:A+
Amazon Prime Video(Amazon.co.jp)より画像引用
歴代でも名作との呼び声高い作品。その最大の魅力は雰囲気から街の造形まで深く描き込まれた「水の都」であろう。シナリオも「伝説を継ぐ街」と「力の暴走」というテーマがしっかりと描かれていた。
他の無印映画と比べて「ポケモンにまつわる伝説」を丁寧に描いていたのは個人的に好印象。タケシ・カスミやロケット団の関わりが他映画と比べても少なめだったが逆にそれが功を為していたような気もする。
ちなみに最後に出てきた少女はラティアスだと思っています。カノンがサトシに対して特別な感情抱いていた描写は思い当たらないので。
七夜の願い星 ジラーチ(2003)
ランク:S
Amazon Prime Video(Amazon.co.jp)より画像引用
紛れもない神映画。定められた別れとひと時の思い出がテーマであり、それ故年端もゆかぬ子供であるマサトを主役にしたのは見事な采配だろう。敵役のバトラーも強い信念のもと動いており、ここまでの映画では一番魅力的な敵役と思った。
サトシの手持ちがピカチュウしか出なかったのは少し残念だが、代わりにゲストポケモンであるサマヨールやキルリアのショー演出、アブソルのまるで準伝かのような活躍、フライゴンとボーマンダの対決・共闘とそれを補って余りあるエンタメ力も見せてくれた。
裂空の訪問者 デオキシス(2004)
ランク:B
Amazon Prime Video(Amazon.co.jp)より画像引用
個人的にはイマイチ。トラウマ克服の過程が一番のテーマと思うが、トオイに好感を持てなかったり登場時と比べて周りにあっさり馴染んでしまっているのがマイナスだろうか。災害時の対応という隠れたテーマが描かれていたのは評価点。
レックウザというポケモン、禁止伝説の中では一番好きなポケモンなのだけど、そのレックウザを全然掘り下げずただの舞台装置みたいに使っていたのも個人的には不満。ハイテクシティラルースの描写やポケモン個々の能力を駆使した災害対応など良い所もあるだけに惜しい。
ミュウと波導の勇者 ルカリオ(2005)
ランク:S
Amazon Prime Video(Amazon.co.jp)より画像引用
ジラーチと並ぶ神作品。「絆」という直球王道のテーマ一本をシリーズそのものの軸であるサトピカとゲストのアーロンルカリオとを重ね合わせて見事に描き切っていた。悪役も無しにこれらのみに絞った為ストーリーに深みが生まれていた。
闘う場面こそあまりないもののサトシ達のその時点の手持ちが揃って登場していたのも好印象。はじまりの樹の人体活動のような描写も面白く、もう一体のタイトルポケモンのミュウもちゃんと納得出来る役割を与えられていたと思う。
あとedムービーでジラーチ映画のバトラーとダイアンがカメオ出演していて、こういうのあるからシリーズ鑑賞はやめられない。
ポケモンレンジャーと蒼海の王子 マナフィ(2006)
ランク:A
Amazon Prime Video(Amazon.co.jp)より画像引用
(ラティ+ジラーチ)÷2。AG映画で度々描かれた絆というテーマの特に「親子愛」にフォーカスしていた。ハルカをメインとしつつサトシも終盤で大きく活躍させていたのが好印象。水ポケモンや海底神殿の演出もGOOD。
当時ゲームが発売されたポケモンレンジャーを宣伝も兼ねて出したのは英断で実際によく描けていたけど、そのゲームの方が言う程流行らなかったのが悔やまれる。敵役は無印映画以来のイキリ悪ガキ系だがこれはこれで悪くなかった。
ディアルガvsパルキアvsダークライ(2007)
ランク:A-
Amazon Prime Video(Amazon.co.jp)より画像引用
オラシオンという平成のヒノカミ神楽。この映画の魅力の大半はここに集約されるだろう。テーマはイマイチ分かりにくかったが「継承」だろうか。どちらかというとバトル等のエンタメ映画よりな印象。
前半はダークライとその関連話が丁寧に描かれてて結構面白かったけど、ディアパル参戦から淡々として失速してしまったような印象を受けた。最初敵役っぽかったアルベルト男爵も結局何がしたかったキャラなのかわからず終わってしまったのも残念。
継承がテーマと言ったけど、この映画の目玉であるオラシオンは形を変えて10年後の映画「キミにきめた!」に「継承」されているというのがまた面白い。
ギラティナと氷空の花束 シェイミ(2008)
ランク:A+
Amazon Prime Video(Amazon.co.jp)より画像引用
ダークホース映画。別世界をベースとした「世界の役割と調和」がテーマ。オラシオンのような派手な武器こそ無いが、シェイミの設定やサトシ達との旅、敵の行動動機などを一つ一つ丁寧に描いて進めていた事が好印象。
ストーリーだけならAランク止まりなものの、反転世界や花畑といった舞台背景の書き込みが素晴らしいかったので1ランク上に。過去映画の話が出るのはこれが初めてだが、その設定も活かしつつ、次に繋げられるような終わり方だった。
この映画は例のコイルショックの当事者のはずだけど、話の中で大量のコイルが出てきた時は爆笑してしまったw
アルセウス 超克の時空へ(2009)
ランク:B
Amazon Prime Video(Amazon.co.jp)より画像引用
作画は良いが他がかなり微妙。歴史の裏の真実がテーマだがそれ故なのか説明に時間割きすぎて全体的にテンポが悪い。シーナやディアルガの力も都合良すぎな所が多く、パルキアギラティナはほぼいるだけになってた感が否めない。
途中のご都合は正直かなり酷くてCランクにしようと思いもしたが、歴史改変の描写がギリ許せる範囲なのと細かな部分で良い点もいくつかあったので踏み止まり。三部作の最終章だが、前2作観てないとついて行き辛い一方でディアパルギラについては別に三部作でやる必要があったのか疑問の残る扱いだった。
幻影の覇者 ゾロアーク(2010)
ランク:A
Amazon Prime Video(Amazon.co.jp)より画像引用
意外と硬派寄りかもしれない。「嘘の持つ意味と役割」が一つのテーマ。悪役や伝説ポケの背景が丁寧に描写されており、「変身」ではなく「幻影」である事がわかりやすい演出も良かった。三犬やセレビィも空気にならず活かせていた。
他のダイパ映画と比べてほぼシナリオ一点突破で勝負していたのは個人的に好印象。肩書としてはダイパ映画だが、三犬セレビィの活躍や冒頭のヒビキ等、当時ゲームの世代だったHGSSの方を意識して作られた感じもする。
ちなみにスキマスイッチが歌う主題歌は歴代でも上位に入るほど好き。
ビクティニと黒き英雄 ゼクロム(2011)
ランク:A-
Amazon Prime Video(Amazon.co.jp)より画像引用
言うなれば及第点。テーマは「手段を選ばない代償と過ち」と言った所か。アルセウス同様説明に時間割いて特に前半はテンポが悪いが、後半の実は〜的展開やゼクロム登場以降の演出は決して悪くなかった。
レシラムの方が途中までは目立っていて本当にゼクロムの方の映画かと少し思ったが、役割上重要なのはゼクロムだったので間違いでは無いかなと。舞台が狭くて街や自然の描写等はイマイチだったがそこは一長一短だろうか。
キュレムVS 聖剣士 ケルディオ(2012)
ランク:B
Amazon Prime Video(Amazon.co.jp)より画像引用
内容がナイヨウ。「力を合わせる事の大事さ」がテーマでそこについては悪くないが、悪役もいなく特別波乱も無いためとにかく話が薄い。ポケモンとサトシの友情や映画自体のスケールも他映画と比べて大きく劣ると言わざるを得ない。
キュレムについても以前のレックウザほどではないが、その辺の洞窟に住んでたり好き勝手にフォルムチェンジしたりと扱いが割と雑、聖剣士3体の方が優遇されてるくらいには。但し話が薄っぺらい反面ご都合展開が少なめだったのは評価しても良い気がする。
TVスペシャルレベルのシナリオを映画としてやられても困るっていうのが正直だけど、上映時間も少ないし(代わりに短編あった?)この年は何か事情があったのだろうか。
神速のゲノセクト ミュウツー覚醒(2013)
ランク:A+
Amazon Prime Video(Amazon.co.jp)より画像引用
ミュウ逆リスペクト。人工ポケモンのミュウツーとゲノセクトメインだけあり「存在意義」がテーマ。それ故話自体や展開も比較的重めな部分が多い。反面ミュウツー対ゲノセクトや多様なポケモン等エンタメ力もあり。
話がハードで面白いので個人的に好印象な映画だが、赤ゲノセクトの目的がややわかりづらい(ただ排他的なだけ?)点だけは少し気になった。ミュウツーは声や性格の工夫でミュウ逆のと別個体である事がわかりやすかったが、ミュウ逆のミュウツーと出会ったらどうなるのかそれはそれで気になる。
破壊の繭とディアンシー(2014)
ランク:A-
Amazon Prime Video(Amazon.co.jp)より画像引用
王道かつコンパクト。「箱入り娘の旅と成長」がテーマ。幻ポケモンとサトシ一行が仲良くなって騒動に〜というお約束だが、敵が複数いて尚且つ敵も巻き込まれた方だったのが目新しかった。伝説ポケモンの演出もグッド。
タイトルの「破壊の繭」があのポケモンの事だと言うのは少し考えればわかる気もするが全くわからなかったので判明時に勝手に感心していた。敵達のメインポケモンが御三家の最終進化だったのもサトシ一行の御三家が第一進化な事と対比させてXY世代へのファンサービスになっていた事と予想される。
光輪の超魔神 フーパ(2015)
ランク:A
Amazon Prime Video(Amazon.co.jp)より画像引用
面白いではなく楽しい。テーマは「自身の制御と乗り越え」だがこの映画の魅力はそんな所ではなく、大怪獣バトルと言わんばかりの伝説ポケ大集合だろう。サトシが伝説達をちゃんと覚えており、ここまでポケモン映画を観続けて良かったと思える。
正直シナリオ自体はケルディオ程ではないが大分薄めで特別面白い訳でもないのだが、それを補って余りあるエンタメ力のお陰でランクが2段階くらい上がった。特にサトシがルギアやラティオスに乗るシーンはかつての映画を観た人なら誰しもが感極まった事だろう。
ちなみにWikipediaによると、少なくともルギアとアルセウスに関しては過去映画と同一個体である事が他媒体ではっきり明言されているとか。
ボルケニオンと機巧のマギアナ(2016)
ランク:A
Amazon Prime Video(Amazon.co.jp)より画像引用
原点回帰な節もある。テーマは「ポケモンから見た人間の恐ろしさ」だろう。無印やAGで見られたような悪人の力の暴走やポケモンと人間の信頼の深さ等が描かれ、前作と合わせてこれまでの映画の総決算も兼ねていたのかもしれない。
前作は伝説ポケ大集合だったが今回はメガシンカの大盤振る舞いというエンタメっぷりを見せてくれ、サトシ一行とのバトルも迫力のあるもので願わくば映画館で見たかった。また、ルギア映画ほどではないものの久々にロケット団、特にニャースがテーマの関連もあって比較的目立っていた。
キミにきめた!(2017)
ランク:A+
Amazon Prime Video(Amazon.co.jp)より画像引用
回帰に見せかけた挑戦作。テーマは「絆」…ではなく「成長」だろう。過去作オマージュと取れる要素が幾つもあり、その多くは良くも悪くも今作風アレンジがかかり賛否両論だが、ポケモンが好きな人ほど賛にも否にもなり得る作品と言えるだろう。
特に物議を醸した終盤のある演出だが、これについても正しかったのか否かは正直断言が出来ない。サブキャラは全くの新キャラが揃ったがサトシ一行の面々はサトシが成長する上での助けとなり、ライバルも一見クソ野郎に見えて信念のもと戦っていたのは評価点と言える。
個人的に好きなシーンとして、当時最新作だったSM御三家と初代御三家の対決がまず挙がる。また、原典のバイバイバタフリーは観たことがないものの映画内の別れのシーンは思わず泣いてしまった。
みんなの物語(2018)
ランク:A-
Amazon Prime Video(Amazon.co.jp)より画像引用
広く浅く。テーマはタイトルそのまま「みんなの物語」。限定された街と時の中で様々な境遇のキャラが葛藤して成長するが、90分という尺の宿命か、どうしても特定キャラに偏りが生じてしまったのは否めない。
特に良かったのは嘘つきおじさんことカガチとウソッキー関連で、彼らが影の主人公と言えるのではないか。反面ラルゴとゼラオラ、特にゼラオラ関連が伝説の伝承も暴走の背景もサトシとの戦闘・心通わせもかなり雑で、正直このポケモンの所為で評価が2段階ほど落ちたと言っても過言ではない。
前半はかなり面白かったのだがやはり上述のゼラオラを始めとして事件解決のパートで失速してしまったと言わざるを得ない。上手くいけばA+もあり得た映画だっただけに大変惜しい。
ミュウツーの逆襲 EVOLUTION(2019)
ランク:A
Amazon Prime Video(Amazon.co.jp)より画像引用
エンタメ化したミュウ逆。テーマや話の大筋は原典と同じなので特筆無いが、細部は結構アレンジされている。普通の映画としては十分な良作だが、ミュウ逆という大作の名を冠した作品としては残念な面もあったのは否めない。
波止場の「カモメ」が「キャモメ」になってたり、当時無かったゲームのbgmや技*4が加えられていたのはリメイクとしてグッドで、映像の迫力も十分。一方で尺が伸びたにも関わらず原点で超重要要素だったアイツーの話を丸々カットするという愚行をなし、代わりに幕間会話や説明だけが増えた為テンポはかなり劣化した。
番外編
ココ(2020)
(※アマプラでは無いので対象外ですが一応掲載)
ランク:A
https://www.pokemon-movie.jp より画像引用
異種族共生という意外にもポケモンで深く扱われる事の少なかったテーマ。見た目は人間中身はポケモンというキャラの演出が非常に冴えていた。森林や環境破壊等、所々セレビィ映画オマージュと取れなくもない部分もちらほら。
当然だがモブポケモンの種類が格段に増えていて、そういったポケモン達の小さな活躍も楽しめた。また今回の悪役は子供向け映画としてはタブーな事(ネタバレ防止)をやっているわけだが、これをやった悪役はもしかするとポケモン史上初?
ビクティニと白き英雄 レシラム(2011)
※見比べと制覇のため此方も観たけれど記録としては黒き英雄ゼクロムを適用
ランク:A-
Amazon Prime Video(Amazon.co.jp)より画像引用
テーマや話は黒き英雄と全く同じなので語る事無し。ゼクレシの役割が逆だったり一部ポケモンが違ったりというくらいだが、ゲームが各シリーズ2バージョン出てる事を考えるとある意味ポケモンらしい企画とも言える。
何故こんな企画になったかだが、ゼクレシがディアパルやゼルイベ等と比べてタイプ以外に特別違いのないポケモン同士で、扱いに困ったからではないかと思われる(ゲームBWも実はこの映画と同じ様な扱われ方)。シリーズコンプリート目的が無ければどちらか好きな方だけ観る事を個人的には推奨する。
総括
20作以上あり、途中に就活等もあって企画開始から終了まで実に半年弱かかってしまいましたが、なんというかやりきった感はありました。
各作品のテーマをもう一度並べると
ミュウツーの逆襲:作られた命
結晶塔の帝王 ENTEI:ひとりぼっちの少女の願い
セレビィ 時を超えた遭遇:環境破壊とその代償
七夜の願い星 ジラーチ:定められた別れとひとときの思い出
裂空の訪問者 デオキシス:トラウマ克服の過程
ギラティナと氷空の花束 シェイミ:世界の役割と調和
アルセウス 超克の時空へ:歴史の裏の真実
幻影の覇者 ゾロアーク:嘘の持つ意味と役割
ビクティニと黒き英雄 ゼクロム:手段を選ばない代償と過ち
キュレムVS聖剣士 ケルディオ:力を合わせることの大事さ
神速のゲノセクト ミュウツー覚醒:存在意義
破壊の繭とディアンシー:箱入り娘の旅と成長
光輪の超魔神 フーパ:自身の制御と乗り越え
ボルケニオンと機巧のマギアナ:ポケモンから見た人間の恐ろしさ
キミにきめた!:成長
みんなの物語:みんなの物語
ミュウツーの逆襲 EVOLUTION:作られた命
となります(正直無理矢理捻出したのもありますが・・・)
各作品個人的好みで順位をつけるのなら
S(素晴らしい!)
1位:七夜の願い星 ジラーチ
1位(同率):ミュウと波動の勇者 ルカリオ
3位:ミュウツーの逆襲
A+(とても面白い)
4位:セレビィ 時を超えた遭遇
5位:キミにきめた!
7位:結晶塔の帝王 ENTEI
A(面白い)
12位:幻影の覇者 ゾロアーク
14位:ミュウツーの逆襲 EVOLUTION
15位:光輪の超魔神 フーパ
A-(ギリ及第点)
16位:みんなの物語
17位:ビクティニと黒き英雄 ゼクロム
18位:破壊の繭とディアンシー
B(微妙)
20位:裂空の訪問者 デオキシス
21位:キュレムVS聖剣士 ケルディオ
22位:アルセウス 超克の時空へ
C(・・・何も言うまい)
※無し
といった感じでしょうか。
また、主題歌は印象に残る物とそうでないものに分かれますが特に好きなのは
風といっしょに(ミュウツーの逆襲)
ひとりぼっちじゃない(水の都の護神 ラティアスとラティオス)
小さきもの(七夜の願い星 ジラーチ)
アイスクリーム・シンドローム(幻影の覇者 ゾロアーク)
宙 ーそらー(ビクティニと黒き英雄 ゼクロム)
オラシオンのテーマ ~共に歩こう~(キミにきめた!)
といった所です。
全体通して感じたのは、AGシリーズはシナリオ、DPシリーズは作画、XYシリーズは演出とそれぞれ強みが違ったなって感じです。無印は作品によってばらばらですがこれらどれもが強かった気がします。BWは作品自体が決して悪い訳ではないものの上記のようなはっきりした強みが見いだせなかったのが残念でした。
ただ、これだけ長いシリーズものだとどうしてもマンネリ化の宿命からは逃れられず、実際シナリオに限って言うなら幻のポケモンとサトシ一行が出会って~のワンパターン化は否めず、特にBW~XYあたりは幻のポケモンとの出会い別れの重みもだんだんと軽くなってしまっていったような感じはしました。ひょっとすると制作サイドもそういったことに気づいて、XY終了後はTV版と切り離した新無印として制作したのかも知れませんが。
なにはともあれ、長らくお世話になっているこのポケモンというコンテンツ、今後も楽しませて頂きたいと思っています。